TencentのHy Image 3.5 Previewは、Hy Image 3.0と比べて性能が30%向上したとされています。その実力を確かめるため、実際にテストしました。
2026年9月23日

Tencent Hunyuanが公開したHy Image 3.5 Previewは、ベンチマークの首位を狙う最先端モデルというより、プロの制作現場で使える実用的なモデルとして位置付けられています。テキストプロンプトと最大5枚の参照画像を入力でき、1K/2K/4Kの画像を出力します。課金対象は出力画像のピクセル数のみで、プロンプトや参照画像には料金がかかりません。
各メディアが取り上げているのは、人による評価でHy Image 3.0を上回った割合が30%という数字です。これは、リリース前にTencentが示していた社内ランキングに代わる指標です。主張としては分かりやすくなりましたが、評価したのはTencent自身です。傾向を示す数字として受け止め、独立した評価結果を待つべきでしょう。
海外向けの料金は、2K以下で1枚あたり0.024ドル。生成時間は約20秒とされています。
興味深いのは、公開後24時間以内に寄せられた実際のテスト結果です。
Xでは、特に文字描画の性能に注目が集まっています。あるテスターは、6種類の文字要素を含む広告看板のモックアップと、85mmレンズで撮影したような商品写真を同じセッションで生成し、どちらも良好だったと報告しています。複数の文字要素を描き分ける作業は、多くの画像生成モデルがまだ苦手とする領域です。Tencentの紹介資料でも、長文の中国語インフォグラフィックや、要素を組み合わせたレイアウトがモデルの強みとして打ち出されています。Reddit
Tencentの公式アカウントも、Hy Image 3.5 Previewで生成した優れた事例を共有してほしいと呼びかけています。プレビュー期間中に、コミュニティから実例を集める取り組みです。
一方で、Hy Image 3.0の公開時を覚えている人からは慎重な見方も出ています。昨年9月に3.0が公開された際、Redditのr/StableDiffusionでは評価が割れました。「完璧」と称する投稿に多くの賛同が集まる一方、用意されたデモ以外でも徹底的に試せば、欠点がないとは言えないと反論する投稿もありました。見栄えのよい公開事例と、各自のプロンプトで試した結果が異なる可能性は、どのベンダーの事例を見るときも覚えておきたい点です。3.5でも、デモ用のプロンプトを離れれば同じように評価が分かれるかもしれません。そこで私も、自分のプロンプトで試しました。
9月23日、GMI CloudのAPIに36回のリクエストを送りました。そのうち35回で画像が返され、料金は合計0.84ドルでした。サンプル数は少ないため、以下の数値は初期検証の結果としてご覧ください。
最初に確認したのは、4K出力についてです。現時点のGMIでは、画質とコストの両面で2Kが使いやすい選択肢です。得られた最大の画像は2048×2048ピクセル、約420万画素でした。4K出力の料金として示されている0.032ドルは、ほかの利用経路に適用されるものです。
GMIでは、サイズを問わず画像1枚あたり0.024ドルです。2K画像も1K画像と同額で、画素数は4倍。増えるのは待ち時間が数秒程度です。
指定サイズ | 実際のサイズ | 所要時間(中央値) | 料金 |
|---|---|---|---|
1024x1024(1K) | 1024×1024 | 13.3秒 | $0.024 |
1536x1536(1.5K) | 1536×1536 | 15.7秒 | $0.024 |
2048x2048(2K) | 2048×2048 | 20.4秒 | $0.024 |
1920x1080(2K) | 1920×1072 | 15.8秒 | $0.024 |
細かな発見が二つありました。1920×1080を指定すると、ほぼ同じ1920×1072で返ってきます。動画制作に使う場合は、切り抜きや余白の追加が必要です。また、サイズを「Auto」にしたところ、ある回は縦長、次の回は横長になりました。制作フローに組み込むなら、サイズを明示的に指定した方がよいでしょう。
速度は、ほとんどのリクエストでTencentの説明どおりでした。新規生成の中央値は15.5秒。2Kの正方形画像は約20秒で、編集は約23秒と少し長めでした。
次に、Xで見かけた6種類の文字要素を含む広告看板を試しました。見出し、サブ見出し、価格、注意書き、Webサイトのアドレス、小さな補足ラベルを指定しています。

1回目:6種類の文字要素がすべて正しく描かれました。
1回目は完璧でした。同じプロンプトでもう一度生成すると、結果はやや劣りました。ただし、被写体はフレームの中央に鮮明に収まっています。

2回目:同じプロンプトで生成した画像。
続いて、6品目と価格を載せた黒板メニューを試しました。単語の綴りはすべて正確でしたが、価格が一つ変わりました。クロワッサンを3.75ドルと指定したところ、黒板には3.00と書かれています。

単語はすべて正確ですが、クロワッサンの価格が違います。
この性能には最も懐疑的だったため、重点的に試しました。まずロゴ入りの赤いマグカップの商品写真を作成。その後、各編集結果を次の編集の参照画像として入力し、大理石のテーブル、湯気、夜のカフェ、クロワッサンを順に追加し、最後にマグカップをネイビーに変えました。

左上から右下へ、元画像と5回の連続編集の結果。
結果は予想以上でした。5回編集した後も、マグカップの形状、取っ手、BREWHAUSのロゴは保たれています。それぞれの編集では、指示した箇所だけが変わりました。
さらに2枚の参照画像を渡し、二つのマグカップを同じカウンターに置くよう指示しました。どちらも元の見た目を維持しています。ただし、赤いマグカップの取っ手がネイビーのマグカップに重なり、ロゴの1文字が隠れています。

2枚の参照画像を一つのシーンに統合した結果。
10件のリクエストを同時に送ったところ、すべて14.5秒以内に完了し、各リクエストの所要時間は11~14秒でした。この規模では、待ち行列による遅延は見られませんでした。
36件中35件は最初の試行で画像が返り、残りの1件もすぐに再試行すると成功しました。
プレビュー期間中のシード値の動作はまだ調整中のため、結果を比較する際はサイズとプロンプトを固定しました。

同じシード値、プロンプト、サイズでも、異なる画像が生成されました。
今回のリリースで最も説得力があるのは、ベンチマークの数値よりも料金体系です。生成と編集が同額で、参照画像にも料金がかからないことは、制作を繰り返す開発者にとって魅力的です。ほかのプラットフォームでは編集の方が1回あたりの料金が高く、生成して、調整して、再生成するという制作の流れにコストがかさむことがあります。私のGMIでのテストでも、編集は新規生成と同じ0.024ドルで、2K画像も1K画像と同額でした。この料金体系がプレビュー終了後も続けば、大量の画像を反復して制作するチームのコスト計算は変わるでしょう。
慎重に見ているのは4K出力です。Tencentの発表資料ではアップスケーリングによる4K出力が紹介されていますが、提供中のAPIについては、一般利用が2Kまでで、4Kの可否はプラットフォームによって異なるとする外部記事が多く見られます。GMIについては上限を確認できました。選択できる解像度は2Kまでで、得られた最大画像は2048×2048ピクセルです。印刷物や大型の制作物に4K出力が欠かせないなら、制作フローを組む前に、利用するサービスの解像度上限を確認してください。
編集の一貫性は、Tencentの事例ではなく自分の参照画像で最も厳しく確かめたかった点です。「編集を重ねても一貫性を保つ」という主張は、厳選された18件の事例では見事に成立しても、自分の商品写真を50件処理すると結果が不安定になるかもしれません。今回の5回連続の編集では、一貫性が保たれました。最初から最後まで、マグカップとロゴは維持されています。ただし、対象は一つの商品だけです。大規模に使う前に、自社の画像でも検証してください。
文字には確認工程が必要です。見出しはすべて正しく描けましたが、小さな文字には乱れがあり、価格も変わりました。画像内の文字をOCRで読み取り、プロンプトの指定と照合すれば、多くの誤りを見つけられます。また、シード値による再現性が得られるまでは、生成した画像のURLとプロンプトを毎回保存しておきましょう。同じシード値でも異なる画像が返ってきます。
私なら、明日から2Kの商品写真や広告のバリエーション制作に使います。サイズを明示的に指定し、エラー時は1回再試行する設定にします。1枚0.024ドルなら、3枚生成して最良の1枚を選ぶ方が、完璧なプロンプトを一つ探し続けるエンジニアの時間より安く済みます。
Hy Image 3.5 Previewは、GMI CloudのInference Engineでhy-image-v3.5-previewとして利用できます。TencentのAPIの順番待ちや、中国本土向けと海外向けの接続先を考えることなく試せます。
Playground: コードを書く前に、自分のプロンプトと参照画像を使って対話的に品質を確認できます。Playgroundで試す
API: 自分のプロンプトで品質を確認したら、APIから直接呼び出せます。
curl -X POST "https://console.gmicloud.ai/api/v1/ie/requestqueue/apikey/requests" \
-H "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"model": "hy-image-v3.5-preview",
"payload": {
"prompt": "A misty mountain village at sunrise, traditional architecture, soft golden light.",
"size": "1920x1080",
"generate_max_pixels": 4194304
}
}'このリクエストでは1920×1072ピクセルの画像が返ります。imageフィールドに参照画像のURLを最大5件指定すれば、同じ被写体を繰り返し編集できます。紹介事例をうのみにせず、編集の一貫性を自分で確かめてみてください。リクエストとレスポンスの詳しい仕様はAPIドキュメントで確認できます。
「Hy Image 3.5 Previewは優れているか」と漠然と問うより、自分の用途に照らして評価することが大切です。商品写真、ゲームUIのバリエーション、大量の広告素材など、編集を繰り返す用途では、生成と編集が同額というだけでも本格的に試す価値があります。今回の編集テストも、その判断を後押しする結果でした。印刷用に確実な4K出力が必要なら、GMIでは現時点で2Kが上限です。ほかのプラットフォームでも、制作フローを組む前に上限を確認してください。文字描画が課題なら、Tencentの事例と初期の外部テストの双方で良好な結果が報告されています。私のテストでも見出しは正確でした。ただし、小さな文字と数字には確認工程を加えましょう。
Roan Weigert
DevRel Lead @ GMI Cloud
GMI Cloud helps you architect, deploy, optimize, and scale your AI strategies
